花菜

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今月の薬膳

高くなった空にうろこ雲が広がり、秋が深まっていくのを感じます。
この時期は、夏の間に溜め込んだ「冷え」を解消し、冬に向けてたっぷりの栄養で体腸を整えることが大切。今月は温と滋養をくれる薬膳をご紹介します。

秋野菜の筑前煮

秋野菜の筑前煮

郷田さんのおばあちゃんから受け継いだ「甘」の伝統食。

材料

鶏肉、ゴボウ、人参、里芋、カボチャ、ジャガイモ、粗糖、ミリン、醤油 それぞれ適宜

作り方

鶏肉を炒めて鶏皮から出る油で野菜を炒め、野菜から出た水分で煮る。
①鶏肉を炒め、火が通ったら粗糖を入れてさらに炒める。
②野菜の固いものから順に入れて炒めては煮る。
③野菜に火が通ったらミリン、醤油を入れてコトコトと炊く。

ほうれん草のスープ

ほうれん草のスープ

腸の働きを整える「苦」の腸活薬膳。

材料

ほうれん草、昆布出し、豆乳、ブラックペッパー、淡口醬油 それぞれ適宜

作り方

①ほうれん草を茹でて灰汁を取る。茹でたほうれん草を適度の大きさに切る。
②「①」に昆布出しを加えてミキサーにかける。トロトロの状態で「ほうれん草のおから団子」に使う分量を取り分けておく。
③鍋に移して火にかけ沸騰したら火を止めて豆乳を加え、ブラックペッパー、薄口醤油で味つけをする。

ほうれん草のおから団子

ほうれん草のおから団子

栄養バランスの良い「甘」のおからを最大活用。

材料

「ほうれん草のスープ」の作り方「②」で取り分けたトロトロのほうれん草。おから、ひじき、トウモロコシ、人参、粗糖、淡口醬油 それぞれ適宜

作り方

①ひじき、人参は小さく切る。トウモロコシは湯がいて実をはずす。
②おからをトロトロのほうれん草に混ぜる。
③「①」と「②」を合わせて一緒に煮て粗糖、薄口醤油で味つけをする。
④炊き終わったら、しばらく冷ましてから団子にする。

リンゴと梨の薬膳デザート

リンゴと梨の薬膳デザート

旬の果実を香辛料で漢方風デザートに。

材料

りんご、梨、塩、ピンクペッパー(ブラックペッパーでも可)それぞれ適宜

作り方

リンゴと梨は皮を剥いて食べやすい大きさにカットします。カットした果実にほんの少し塩をまぶし、ピンクペッパーをかけていただきます。
写真はりんごの皮を器に見立てて使用しています。

薬膳コラム

分量表示の「適宜」には理由が…。
郷田さんのレシピには「適宜」という分量表示が多いと感じませんか?実は、これには理由があるそうです。表示分量に頼りがちになると、自分なりの味の工夫がなくなってしまいがちです。「適宜」は自分で味のイメージを膨らませ、考える機会をつくるためなのです。 塩分や糖質など食事制限がある方も、たし算や引き算をしながら、味のコントロールをしてくださいね。
郷田 美紀子
郷田 美紀子
■プロフィール
ごうだ みきこ/1948年生まれ。 家業である「郷田薬局」の管理薬剤師、百姓。薬局の隣に設けた「薬膳茶房オーガニックごうだ」で病気を薬だけではなく、「五味調和」の考え方を用いた食事で治すことを実践。2009年には宿泊施設「綾ビオスヴィレッジごうだ」をオープン。