花菜

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今月の薬膳

暑い日が続いていますが、お変わりありませんか?
夏は、暑さから心臓に負担がかかるため「苦」の素材とその働きを助ける
「酸」「辛」のものがポイント。
今が旬の野菜が盛夏に元気をくれますよ。

連日の暑さで体が疲れやすくなり、心臓もハイペースで働いています。
心臓がオーバーワークしないように調整してくれるのが「苦」の食材です。
この時期、青野菜が少ないので「苦」材のゴーヤやモロヘイヤなどはありがたい夏野菜。
上手に活用して、いろいろな料理にアレンジしてくださいね。
しかも、モロヘイアは「苦」だけではなく「甘」の性格を併せ持っているので夏場、
冷たい飲み物やクーラーなどで痛みやすい小腸や胃の働きをサポートしてくれます。
気をつけなければならないのは、「苦」材は体を冷やすので摂りすぎると、内臓に冷えを溜め込んでしまうこと。
「苦」の仲間のビールやアイスコーヒーがおいしく感じられる季節ですが、
日常的にたくさんいただくのではなく「お楽しみ」程度にしたいものです。
美味しいスイカも、そのままでは体が冷えてしまうので水分を飛ばしてくれる「鹹」の塩、
冷えを取る「辛」のスパイスを降っていただくようにしましょう。
意外な取り合わせですが、美味しいですよ。ヨーグルトの代わりに甘酒も少し。
夏バテの予防にもなります。

ゴーヤの酢のもの料理写真

ゴーヤの酢のもの

生姜や玉ネギを合わせて「苦」材をいただく。

材料

ゴーヤ、赤玉ネギ、生姜、海塩、きび砂糖、米酢 それぞれ適宜

作り方

①ゴーヤ、赤玉ネギ、生姜はスライスして軽く海塩を振っておく。
②「①」を絞って粗糖と米酢で味付けをする。

ゴーヤとナスの味噌炒め料理写真

ゴーヤとナスの味噌炒め

「甘」の相克にある「鹹」の味噌で腎をケア。

材料

ゴーヤ、ナス、きび砂糖、味噌、炒め油 それぞれ適宜

作り方

①ゴーヤとナスは食べやすい大きさに切る。
②「①」を炒め油で炒めてきび砂糖、味噌で味付けをする。

モロヘイヤとモズクの和えもの料理写真

モロヘイヤとモズクの和えもの

素材の持ち味を出しと胡麻だけで引き立てる。

材料

モロヘイヤ、モズク、出し汁、胡麻 それぞれ適宜

作り方

①モロヘイヤは茹でて、出し汁と一緒にミキサーにかける。
②モズクは塩抜きをして水を切る。
③「①」「②」を和えて胡麻を振る。

スイカの漢方流デザート料理写真

スイカの漢方流デザート

美味しい果実も「鹹」と「辛」で冷え対策。

材料

スイカ、海塩、スパイス、甘酒 それぞれ適宜

作り方

①スイカは食べやすい大きさに切って海塩、スパイス、甘酒をかけていただく。

薬膳コラム

分量表示の「適宜」には理由が…。
郷田さんのレシピには「適宜」という分量表示が多いと感じませんか?実は、これには理由があるそうです。表示分量に頼りがちになると、自分なりの味の工夫がなくなってしまいがちです。「適宜」は自分で味のイメージを膨らませ、考える機会をつくるためなのです。 塩分や糖質など食事制限がある方も、たし算や引き算をしながら、味のコントロールをしてくださいね。
郷田 美紀子
郷田 美紀子
■プロフィール
ごうだ みきこ/1948年生まれ。 家業である「郷田薬局」の管理薬剤師、百姓。薬局の隣に設けた「薬膳茶房オーガニックごうだ」で病気を薬だけではなく、「五味調和」の考え方を用いた食事で治すことを実践。2009年には宿泊施設「綾ビオスヴィレッジごうだ」をオープン。