花菜

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今月の薬膳

暦の上では秋ですが、厳しい残暑が続いています。
例年以上に暑かったこの夏、汗をかいた分、冷たいものもいっぱい!
今回は、冷えからくる不調や胃の調子を整えてくれる薬膳をご紹介します。

夏の終わりであり、秋の始まりであるこの時期はちょうど「土用」にあたります。
季節の変わり目にありますが、暑さ続きのため相変わらずアイスコーヒーやアイスクリームなど冷たいものばかりを摂っていると、
胃腸の働きが悪くなるばかりか、体に冷えが溜まり秋から冬にかけて風邪など体調の乱れを引き起こす原因となります。
この頃の冷えには二通りあります。一つは、クーラーやビール、アイスコーヒーなど生活習慣による冷え。
二つ目は、美味しいものを食べた結果、血が濁る悪血による冷えです。
いずれにせよ、冷えは生姜やニンニク、スパイスなど腸の働きに関係のある「辛」のものを食材に組み合わせて発散させ、
血流を良くして胃腸の働きを整えることを心がけてください。

秋ナスと名残夏野菜のバジルソースかけ

秋ナスと名残夏野菜のバジルソースかけ

ナスは多種類のお野菜と一緒に摂るのが冷え予防のポイント。

材料

ナス、オクラ、ゴーヤ、ミニトマト、カシューナッツ、アーモンド、生姜、米酢、醤油、オリーブオイル それぞれ適宜
ニンニク…2カケ、バジル…両手の平いっぱい程度

作り方

①ナス、オクラ、ゴーヤ、ミニトマトを茹でて、ミニトマト以外は食べやすい大きさに切る。
②ニンニクはみじん切り。カシューナッツ、アーモンドは細かく砕く。
③両手の平いっぱいのバジルの葉とオリーブオイル、「②」をミキサーにかけてバジルソースをつくる。
④茹で野菜を皿に盛りつけてバジルソースをかける。

秋にかけての野菜の代表格は、ナスでしょう。
秋ナスと言えば「秋ナスは嫁には食わせるな」という諺があります。
その意味は諸説ありますが
「若い女性がナス食べ過ぎると子宮が冷えて赤ちゃんが出来にくくなるといわれているので、
それを気遣ったお姑さんの思いやり」という説を信じていた方が幸せ感がありますね。
と、すると気になるのは、「子宮を冷やす」というところでしょう。
確かに五味調和でもナスは、「甘」の中でも特に冷やす「甘寒」ですが、
漢方の世界では他の野菜と一緒に食べると良いとされています。

ナスのあんかけ

ナスのあんかけ

「甘」「辛」「鹹」がバランス良くいただける一品。

材料

ナス、ニンニク、木綿豆腐、納豆、醤油、片栗粉、米油 それぞれ適宜

作り方

①ナスは小さく切る。納豆は小さく砕く。ニンニクはみじん切りにする。
②木綿豆腐は食べやすい大きさに切っておく。
③「①」を米油で炒めて、醤油で味つけをする。
④片栗粉を水で溶いて「②」にかける。
⑤器に木綿豆腐を盛りつけ、その上「④」をかける。

トマトご飯

トマトご飯

残った夏野菜で鮮やかご飯。

材料

トマト、ニンニク、卵、塩胡椒、冷やご飯、キャベツ、モロヘイヤ

作り方

①トマトは小さく、ニンニクはみじん切りにする。卵は溶いておく。
②キャベツは細切り、モロヘイヤは適度な長さに切って茹でて、水気を切っておく。
③ニンニクを炒めてキツネ色になったらトマトを加えてさらに炒める。
④溶き卵を加えて箸でほぐして全体に塩胡椒をする。
⑤冷やご飯を加えて塩胡椒をする。具材とご飯がきれいに混ざるように炒めて、ご飯に火が通ったら出来上がり。
⑥皿に「⑤」を盛りつけ、まわりに「②」を飾り付ける。

薬膳コラム

分量表示の「適宜」には理由が…。
郷田さんのレシピには「適宜」という分量表示が多いと感じませんか?実は、これには理由があるそうです。表示分量に頼りがちになると、自分なりの味の工夫がなくなってしまいがちです。「適宜」は自分で味のイメージを膨らませ、考える機会をつくるためなのです。 塩分や糖質など食事制限がある方も、たし算や引き算をしながら、味のコントロールをしてくださいね。
郷田 美紀子
郷田 美紀子
■プロフィール
ごうだ みきこ/1948年生まれ。 家業である「郷田薬局」の管理薬剤師、百姓。薬局の隣に設けた「薬膳茶房オーガニックごうだ」で病気を薬だけではなく、「五味調和」の考え方を用いた食事で治すことを実践。2009年には宿泊施設「綾ビオスヴィレッジごうだ」をオープン。