はんなり通信
九月、長月。昔から「暑さ寒さも彼岸まで」といわれてますが、まだまだ日中は残暑が厳しく涼やかな秋風に吹かれる日が待ち遠しく感じられます。
彼岸は、秋分(今年は二十二日)の三日前から七日間。昔は、この頃から季節が移ろい、少しずつ寒さが増していったのでしょう。九月になっても暑さに悩む私たちにとっては、羨ましい限りの気候だったんですね。
博多の秋の風物詩といえば筥崎宮で開催される「放生会(ほうじょうや)九月十二日〜十八日」。
「万物の生命を慈しみ、殺生を戒め、秋の実りに感謝する」神事で、千年以上も続く博多三大祭りの一つです。参道には昔ながらのお化け屋敷や射的など約五百軒もの露店が立ち並び、期間中延べ百万人が訪れます。中でも目を引くのは新生姜が山積みにされた露店。
秋の訪れを告げる食材に、自然界は着実に次の季節へと歩みを進めていることが感じられてほっとします。機会があればぜひ一度、足をお運びくださいね。
令和六年九月 株式会社花菜
代表取締役 吉田眞弓