花菜

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今月の薬膳

清々しい輝きを放つ新緑に、躍動する生命を感じる季節となりました。
私たちの体も活動的になる分、「肝」には思わぬ負担が…。
先月に引き続き今月も「肝」にやさしい薬膳をご紹介します。

照葉樹林に包まれた綾の山々に、初夏が訪れました。
また今年も、綾川のせせらぎや野鳥の歌声が森に響き渡り、生きとし生けるものたちの命の合唱が始まります。
時々、夏を思わせる陽射しに汗ばむこの時期は、思いのほか肝臓に負担がかかっています。
先月もお話ししたように、肝臓と深く関係しているのは「酸」です。
「酸」の仲間は、酢をはじめ甘夏やレモンなどの柑橘類や梅などがあげられます。
中でも梅干しは、日本の食卓に欠かせない伝統的な保存食です。
ちょうどこの時期、梅の実を収穫して梅干しをつける準備が始まるので、
ご家庭でも梅干しづくりにチャレンジしてみてはいかがですか。

初夏の薬膳オープンサンド

初夏の薬膳オープンサンド

パンに梅干し!?意外な取り合わせなのに、朝食にぴったり。

材料

パン、キュウリ、セロリ、豆腐マヨネーズ(材料、作り方は下記に)、梅肉、ひきわり納豆、辛し、醤油 それぞれ適宜

作り方

①パンは好みの大きさにカットする。キュウリは輪切りにする。セロリは食べやすい大きさにスライスする。
②豆腐マヨネーズ、梅肉、辛し、醤油少々をミキサーにかけてペースト状にしてひきわり納豆を加える。
③パンに「②」を塗ってセロリとキュウリを乗せ、最後にもう一度「②」をかける。

豆腐マヨネーズの作り方

材料

豆腐1/4丁、きび酢 30cc、薄口醤油 20cc、玉ネギ 1/2個、えごまオイル 少々、練り胡麻 大さじ1、ブラックペッパー 小さじ1

作り方

材料をすべてミキサーにかけてペースト状にする。

キュウリと大根の酢のもの

キュウリと大根の酢のもの

「酸」の酢のもので肝臓ケア。

材料

キュウリ、大根、きび酢、海塩 それぞれ適宜

作り方

①キュウリと大根を食べやすい大きさにスライスして、海塩をまぶして数分置く。
②「①」を水で流して、軽く絞る。
③きび酢で和える。

セロリと豚肉のスープ

セロリと豚肉のスープ

「鹹」の昆布だしとお肉の「甘」で五味のバランスを取る。

材料

昆布出し、セロリ、玉ネギ、ミニトマト、豚肉(写真は綾のぶとう豚を使用)、スパイス、海塩、粗糖 それぞれ適宜

作り方

①セロリ(葉と茎)と豚肉を食べやすい大きさにカットする。玉ネギは串切りにする。ミニトマトは半分にカットする。
②昆布出しに「①」を入れて煮る。材料に火が通ったらスパイス、海塩、ひとつまみの粗糖で味付けをする。

薬膳コラム

分量表示の「適宜」には理由が…。
郷田さんのレシピには「適宜」という分量表示が多いと感じませんか?実は、これには理由があるそうです。表示分量に頼りがちになると、自分なりの味の工夫がなくなってしまいがちです。「適宜」は自分で味のイメージを膨らませ、考える機会をつくるためなのです。 塩分や糖質など食事制限がある方も、たし算や引き算をしながら、味のコントロールをしてくださいね。
郷田 美紀子
郷田 美紀子
■プロフィール
ごうだ みきこ/1948年生まれ。 家業である「郷田薬局」の管理薬剤師、百姓。薬局の隣に設けた「薬膳茶房オーガニックごうだ」で病気を薬だけではなく、「五味調和」の考え方を用いた食事で治すことを実践。2009年には宿泊施設「綾ビオスヴィレッジごうだ」をオープン。