花菜

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今月の薬膳

6月に訪れる二十四節気は芒種、入梅、夏至…。
稲や麦などの種をまくこの時期、
だんだん梅雨めいて湿気が多くなり体に水が溜まりやすくなります。
今月は余分な水を発散してくれる
「辛」と「鹹」の薬膳を中心にご紹介します。

梅の実が青から黄色に変わると梅雨に入る合図。
植物には嬉しい季節ですが、湿気が多くなると「湿邪」が心配です。湿邪とは、湿度がもたらす病気のことで、
体の中に水が溜まって満タンになると、アトピー性皮膚炎や喘息が悪化するなど不調が表れます。
この時期の健康の秘訣は、体の中の湿気を飛ばしてくれる「辛」と「鹹」の食べものです。
「辛」は腸や肺の働きに関係し「鹹」は水を調整する腎臓を司っています。
くれぐれも注意したいのは、水を引く甘い者や油ものなど「甘」の摂り過ぎ。
肝臓の働きを良くするために、梅干しや酢を使った「酸」のものも意識的に摂るようにしましょう。
今月は、旬を迎える3種類の旬野菜を使ってレシピを組み立ててみました。

旬野菜の甘酢和え

旬野菜の甘酢和え

痛みやすい肝臓を労る「酸」の薬膳。

材料

新玉ネギ、ニラ、キャベツ、きび砂糖、きび酢 それぞれ適宜

作り方

①新玉ネギはスライスする。キャベツは千切りにする。
②ニラは切らずに長いまま「①」と一緒に熱湯にサッと通す。
③「②」を水切りしてニラは食べやすい大きさにカットする。
④きび酢ときび砂糖を混ぜて甘酢をつくり「③」を和える。

ニラのチャーハン

ニラのチャーハン

湿度の高い日も「辛」の具材で食欲増進!

材料

ご飯(冷やご飯でOK)、新玉ネギ、ニラ、ニンニク、卵、オリーブオイル、海塩、ブラックペッパー それぞれ適宜

作り方

①新玉ネギとニンニクはみじん切りにする。ニラは細かくカットする。
②フライパンにオリーブオイルを敷いて、ご飯を炒めてから卵と「①」を炒める。
③「②」に火が通ったら塩とブラックペッパーで味付けをする。

梅肉を使った酢味噌和え

梅肉を使った酢味噌和え

「酸」の梅干しと「鹹」の味噌を合わせた爽やか風味の酢味噌。

材料

新玉ネギ、ニラ、梅干しの果肉、きび砂糖、味噌、昆布出し それぞれ適宜

作り方

①ニラは長いまま茹でてから5cmぐらいにカットする。新玉ネギはスライスして水にさらして水を切り器に盛る。
②梅肉ときび砂糖、味噌、昆布出しを合わせて「①」にかけていただく。

野菜たっぷりのお味噌汁

野菜たっぷりのお味噌汁

「甘」を摂り過ぎたらお出しのきいたお味噌汁でバランスを。

材料

新玉ネギ、ニラ、キャベツ、昆布出し、味噌

作り方

①新玉ネギ、ニラ、キャベツは食べやすい大きさに切っておく。
②鍋に水と昆布、新玉ネギ、キャベツをいっしょに入れて煮る。野菜に火が通ったら火を止めて味噌を溶く。最後にニラを散らす。

薬膳コラム

分量表示の「適宜」には理由が…。
郷田さんのレシピには「適宜」という分量表示が多いと感じませんか?実は、これには理由があるそうです。表示分量に頼りがちになると、自分なりの味の工夫がなくなってしまいがちです。「適宜」は自分で味のイメージを膨らませ、考える機会をつくるためなのです。 塩分や糖質など食事制限がある方も、たし算や引き算をしながら、味のコントロールをしてくださいね。
郷田 美紀子
郷田 美紀子
■プロフィール
ごうだ みきこ/1948年生まれ。 家業である「郷田薬局」の管理薬剤師、百姓。薬局の隣に設けた「薬膳茶房オーガニックごうだ」で病気を薬だけではなく、「五味調和」の考え方を用いた食事で治すことを実践。2009年には宿泊施設「綾ビオスヴィレッジごうだ」をオープン。