花菜

マイページ

今月の薬膳

春、爛漫。色とりどりの花々が目を楽しませてくれますね。少しずつ陽射しが
強くなり、体が活発に動くようになると食べたいものも変わってきます。
この時期、梅干しやミカンなど、酸っぱいものが食べたくなる理由は…?

進学、進級、就職…人生の嬉しい節目を祝うかのように若葉は萌え、
桜や木蓮などの花々が大地を鮮やかに彩っています。
心躍る春ですが、この時期は肝の働きに関係のある「酸」が痛みやすくなります。
その理由は、暖かくなると体が動くようになり、それと一緒に肝も活発に働くようになるため負担が大きくなるからです。
冬の間はそうでもなかった梅干しやミカンなどの柑橘系が食べたくなるのは、肝の働きが活発になったためだと考えられます。
しかし、「酸」を摂りすぎると相克にある「甘」を痛めることに。
「甘」は胃の働きと関係があるばかりか、ダメージを受けると腎と関係が深い「鹹」も影響を受けます。
「甘」の仲間である甘いものや油ものは、
腸に負担がかかるためによく春先に発症する鼻炎とはまた違ったアレルギーを引き起こす場合もあります。
さらに、むくみの原因ともなりますので、摂り過ぎには注意したいものです。

新ジャガのポテトサラダ

新ジャガのポテトサラダ

マヨネーズを使わない薬膳ポテトサラダ。

材料

新ジャガイモ、新玉ネギ、ブロッコリー(写真は紫ブロッコリー)、海塩、スパイス、純米酢、練り胡麻 それぞれ適宜

作り方

①新ジャガはよくゆがいてマッシュする。
②ブロッコリーは軽くゆがいておく。
③新玉ネギはスライスして水にさらし、水気をきっておく。
④「①」〜「③」を合わせて純米酢、練り胡麻を加え最後に海塩とスパイスで味を整える。

新玉ネギの酢のもの

新玉ネギの酢のもの

春は「肝」の働きを助ける酢のものを積極的に。

材料

キュウリ(インゲン豆でも可)、金柑の皮、八朔の果肉と果汁、純米酢 ミニトマト それぞれ適宜

作り方

①キュウリと新玉ネギはスライスする。
②八朔は果肉を食べやすい大きさにちぎっておく。
③金柑の皮は食べやすい大きさに切っておく。
④「①」〜「③」を合わせて八朔の果汁で酸味をつける。
⑤最後に純米酢で酸味を調整する。

春野菜のスープ

春野菜のスープ

「鹹」の出しをきかせた旬野菜のスープ。

材料

昆布出し、新玉ネギ、セロリ、塩胡椒、それぞれ適宜

作り方

①新玉ネギ、セロリはスライスしておく。
②昆布だしに「①」を入れて煮立たせる。
③塩胡椒で味付けして出来上がり。お好みで溶き卵を搔き入れても美味しくいただけます。

日向夏の酢のもの

日向夏の酢のもの

まるでパフェのような華やかな酢のもの!

材料

日向夏、トマト、グリーンピース、イチゴ、甘酒、純米酢 それぞれ適宜

作り方

①日向夏は、皮が酢のものの器になるよう意識してむく。果肉は具材用と絞り汁用に分けておく。
②トマト、イチゴは食べやすい大きさに切っておく。グリーンピースは、さやを外して取り出した豆をゆがいておく。
③皿の上に、日向夏の皮で器をつくる。
④日向夏の器の中に、日向夏の果肉と「②」を盛りつける。
⑤日向夏の果汁を絞り込み、純米酢で整えて甘酒をかけて仕上げる。

薬膳コラム

分量表示の「適宜」には理由が…。
郷田さんのレシピには「適宜」という分量表示が多いと感じませんか?実は、これには理由があるそうです。表示分量に頼りがちになると、自分なりの味の工夫がなくなってしまいがちです。「適宜」は自分で味のイメージを膨らませ、考える機会をつくるためなのです。 塩分や糖質など食事制限がある方も、たし算や引き算をしながら、味のコントロールをしてくださいね。
郷田 美紀子
郷田 美紀子
■プロフィール
ごうだ みきこ/1948年生まれ。 家業である「郷田薬局」の管理薬剤師、百姓。薬局の隣に設けた「薬膳茶房オーガニックごうだ」で病気を薬だけではなく、「五味調和」の考え方を用いた食事で治すことを実践。2009年には宿泊施設「綾ビオスヴィレッジごうだ」をオープン。